【制作】竹の楽器をつくる(1)事前のリサーチ
竹の楽器を作ることになりました。
理由は 「楽器の材料としての竹の可能性を押し広げるため」です。
前提として、竹の楽器って民族音楽とかでよくありそうだけどよく知らない、、、という段階からスタート。全然くわしくないし、そもそも「竹」っていう材料自体に馴染みがありませんでした。竹箒くらいしかさわったことない。竹馬はよく乗ってたけど、木製でした。
いまも制作と実験の日々ですが、竹の楽器づくりをログとしてインターネットに残しておこうと思いました。これもエオリアンハープと同じで、いつか同じ道をたどろうとしているひとのためになれば幸いです。
「竹」「楽器」「サウンド」「加工方法」などの用語で検索
本当にかっこいいですね。動画がたくさんあるのでいつまでも見てられます。
楽器としての竹の可能性を押し広げてますね。思いついたアイデアはすでに形にされていて、悔しかったです。
- ダダン・クリス・タントさん
大地の芸術祭などで活躍なさっていますね。
風車と竹の円柱の形を使って、回転の動きを利用して音を発生させています。発音のエネルギーは風と重力のみで、アンチエレクトロニクスな機構。自然の力のみで駆動する原始的な知恵と機構はかっこいいですね。世界が破滅して電気が使えなくなっても、風さえが吹けばこの作品は鳴るのです。
- 東京竹楽団の取り組み。
少し長い動画ですが、バリンビンやトガトン、スリットドラムやスリッタム、笛などの制作の様子と、演奏の様子が収録されています。とても綺麗な音。
竹をふんだんに使ったワークショップの様子が流れていますが、この大きさと質の竹材を買うとなるととっても高い!太くて立派な竹は高級素材です。
公式サイトはこちら。
- 竹でできている楽器まとめサイトその1
- 竹でできている楽器まとめサイトその2
こちらも竹楽器の活動記録。いろいろな楽器。
どれも仕上げが綺麗です。ページの末尾にテポナストリの作り方が載っています。
http://kurihp.web.fc2.com/takej.htm
- 竹でできている楽器まとめサイトその3
それから京都教育大学の音具をまとめたデータベースがとてもすばらしい。
取り扱っているのは竹楽器だけじゃないけど、画像と動画と構造がまとめられている。こういうデータベースはとてもありがたいですね。
- 書籍「民族楽器をつくる」(関根秀樹 著)
書籍ではこの本が参考になりました。僕は新版を購入した(絶版)。
竹楽器や道具作りや火起こしで有名な和光大学の関根秀樹先生の書籍ですね。
楽器の紹介や加工の方法など、とても親切に記載されています。
- 竹の加工方法
生竹をそのまま楽器作りにつかうことはできない。
腐るし、湿気があると鳴りもわるいので、油抜きという工程が必要になるようです。
炎で炙る・薬品で煮る、などの方法で竹から油を抜いて、さらに天日干しをして水分をとばすようです。油抜きをせずに干すと、竹材のなかに水分が入っていたら腐ってしまうようです。
むかしは竹林で伐採したものを村の有識者と街の人間が油抜きと天日干しをして竹材を作っていたようですが、木材やプラスチックなどの扱いやすい素材が普及したこともあって、竹材は衰退してきたように見受けられます。(庭師、竹細工職人、工芸に携わる方など、使っている方々ももちろんいらっしゃいます。)
生竹を竹材に加工できる人材も減ったこともあって、太くて立派な竹は高級素材となりつつあるのではないでしょうか。細い竹は輸入もののようで、安価で簡単に手に入ります。東海地方では2~3cmくらいのものが売っていますが、関東のボームセンターをみてみると〜8cmのものが売っていました。地域によっても入手のしやすさがあるのかもしれないですね。
いろいろ調べてみて
調べてみると、たくさんの種類の楽器がありました。すでにいろいろな作品が作られているようですが、工夫次第でいろいろなことができそうです。
材料としての特徴は、
1.筒状
2.節がある
3.繊維質
4.水を染み込まない。
5.硬い
などでしょうか。まだまだありそうですね。
せっかくなら「材料としての竹の特徴を活かした楽器や音具」をつくりたいです。
ほとんどの楽器は安くて加工もしやすい木や樹脂でできます。「竹製のギターをつくる」ということも可能ですが、他の素材で最適なものが作れるものを、竹で再制作してもしょうがないですよね。
とにかく、手を動かすことにしました。
(続く)